肩から
セラピストの手はまず肩に落ちた。掌根に温かいオイルをつけ、少しずつ下へ圧していく。彼女は無意識に身を硬くしたが、その安定したリズムに説得され、一寸ずつ緩めていった。会議室で三か月かけて溜めた緊張が、潮の引くように出ていく。
「ここ」とセラピストが小さく言った。「あなたはずっと肩で呼吸していますね」鼻の奥がつんとした。誰もそんなことを言ってくれたことはなかった。彼女自身も知らなかった。
終わるころ
九十分は思ったより早く過ぎた。部屋の灯りはすぐには点かず、彼女はしばらく横になったまま、自分の心拍がいつもの速さへ戻っていく音を聞いていた。
身を起こすとき、彼女は何気なく首を回してみた。回った。その小さな動きに笑いが出た。笑っているうちに、目尻が赤くなった。コンシェルジュは何も尋ねず、お茶だけを注ぎ足してくれた。


スパ体験 →
料金を見る →
会員特典 →