夜にだけ口にされる場所
メッセージは一行だけだった。Elite Ladies Club、会員制、審査あり、成人の女性のみ。その下に一言添えてあった。「初めて行くときは、何も考えなくていい。自分を委ねるだけでいいの」
彼女はその一行を長く見つめた。数百人の会社は回せても、徹夜で震える両手はどうにもできない。その夜、彼女は予約しなかった。名前だけを保存した。命綱を一本しまっておくように。
三日後、彼女は申し込みをした
申込書は長くなかったが、問いは細かかった。どんな場面を求めるか、体のどこが一番疲れているか、受け入れられる範囲はどこまでか、好きな香りは何か。半分ほど書いたところで、急に鼻の奥がつんとした。誰かがこんなにも真剣に、彼女の望みを尋ねてくれたのは、ずいぶん久しぶりだった。
送信した翌日、コンシェルジュから電話があった。声は穏やかで、まず決まりごとから話してくれた。ペースは終始あなたが決めること、いつでも止めてよいこと。初回は最も基本的な全身ケアだけにして、よければ次に進むこと。受話器を握る彼女の肩が、先に一寸ほど下がった。


スパ体験 →
料金を見る →
会員特典 →