ELITE LADIES CLUB · STORY · 彼女の夜

第12章 · 守り抜いた状態(最終章)

一年後の同じ季節、彼女は茶席のそばで新しく来た客と出会った。バッグをぎゅっと握りしめる遠慮がちな姿は、まるで昔の自分だった。

第12章 · 守り抜いた状態(最終章)

守り抜いたもの

この一年、彼女は昇進し、引っ越し、母の体も落ち着いた。カレンダーはめくられたが、唯一変わらなかったのは二週に一度のあの回だった。アシスタントはもう覚えていた。その二時間は、空が落ちても電話してはいけない時間だ。

状態を保つ秘訣を聞かれ、彼女は少し考えて言った。「秘訣なんてありません。ただ一つだけ、私が自分のために一年ずっと守ったことがあるだけです。状態は、直すものじゃなくて、守るものなんです」その言葉を、彼女は今誰よりも自然に言えた。

名前を手渡す

その夜帰り際、新しく来た客が彼女に小声で尋ねた。「お姉さん、よく来るんですか?ここ……本当に噂みたいにいいんですか?」彼女は微笑み、コンシェルジュの名刺を差し出した。

「初めて行くときは、何も考えなくていいの」と彼女は言った。「自分を委ねるだけでいいの」扉は彼女の後ろでそっと閉まり、お茶の香りが袖に残った。次の物語は、この夜から始まる。

まだ決められなくても、大丈夫。

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